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英語は何単語覚えれば日常会話ができる?研究の数字と現実的な目安

「3000語で会話の9割」は本当?語彙研究でいう「カバー率」の意味と、学習の目安にできる語数を、出典つきで解説します。

飛び石を渡るように、一段ずつ単語を覚えて進む女性のイラスト
要点

語彙研究でよく使われるのは、会話や文章に出てくる語のうち知っている語が何%を占めるか(カバー率)という数字です。 話し言葉では、よく使う約2,000〜3,000のワードファミリーで95%前後をカバーするという報告があります。 一方、辞書なしで楽に理解する目安とされる98%には、話し言葉でも6,000〜7,000ワードファミリーが必要という推計があります。 カバー率は理解度そのものではないため、まずはよく使う語から、完走できる数を目標にするのが現実的です。

「何単語で会話ができるか」は、実は測りにくい

「会話ができる」には、相手の話を聞き取る、自分の言いたいことを言う、話題についていく、といった違う力が含まれます。 しかも相手や話題によって、必要な単語はまったく変わります。そのため研究では、会話の力そのものではなく、語彙がどれくらい足りているかを別の物差しで測っています。

カバー率とは

カバー率は、ある会話や文章に出てくる語のうち、知っている語が占める割合です。 100語の会話で95語を知っていれば95%。これは20語に1語は知らない語が出てくる状態です。98%なら50語に1語になります。

研究で示されている数字

研究対象わかったこと
Adolphs & Schmitt(2003)話し言葉(会話のコーパス)約2,000ワードファミリーで、話し言葉の95%前後をカバー
Webb & Rodgers(2009)映画の台詞3,000ワードファミリー+固有名詞などで約95%、6,000ワードファミリー+固有名詞などで約98%
Nation(2006)小説・新聞・映画・会話など98%に必要なのは、書き言葉で8,000〜9,000、話し言葉で6,000〜7,000ワードファミリー
Hu & Nation(2000)読解辞書なしで十分に理解するには、98%程度のカバー率が目安

数字は研究によって違いますが、「よく使う数千語で大部分をカバーできる」「ただし、快適に理解するにはもっと必要」という傾向は共通しています。

注意1:ワードファミリーは「1語」ではない

研究でいうワードファミリーは、use・uses・used・using・useful・useless のように、もとの語と変化形・派生語をまとめて1つと数える単位です。 Oxford 3000の「3000語」は見出し語で数えた数なので、研究でいう「3,000ワードファミリー」とは同じではありません。 一般に、見出し語で数えた語をワードファミリーでまとめ直すと、数は少なくなります。

注意2:カバー率=理解度ではない

カバー率が高くても、次のような理由で理解できないことはよくあります。

  • 知っている語でも、速い会話では聞き取れない
  • take off や look after のように、知っている語の組み合わせで別の意味になる
  • 文法や語順、話題についての背景知識が足りない

だから「3000語で会話の9割」とは言わない

当サイトとアプリ「英単語3000」では、「3000語覚えれば会話の8〜9割がわかる」という言い方をしていません。 3000という数は成果の保証ではなく、完走できる学習のゴールとして使っています。 ブランドのモットーは「全部覚えなくて大丈夫。まずはよく使う単語から。」です。

現実的な目安:100 → 500 → 1000 → 3000

いきなり3000語を目指すより、区切りごとに達成を積み重ねるほうが続けやすくなります。

  1. 最初の100語:a, about, because のような、どの文にも出てくる基本語。一覧はこちら
  2. 500語:一番重要な★★★の単語(全905語)を中心に。
  3. 1000語:★★★を一周し、★★の単語へ。
  4. 3000語:★★・★まで。ここまで来たら、目的に合わせて専門分野や試験の単語へ。

今日からできること

出典・参考

  1. Adolphs, S., & Schmitt, N. (2003). Lexical coverage of spoken discourse. Applied Linguistics, 24(4), 425–438.
  2. Hu, M., & Nation, I. S. P. (2000). Unknown vocabulary density and reading comprehension. Reading in a Foreign Language, 13(1), 403–430.
  3. Nation, I. S. P. (2006). How large a vocabulary is needed for reading and listening? The Canadian Modern Language Review, 63(1), 59–82.
  4. Webb, S., & Rodgers, M. P. H. (2009). The lexical coverage of movies. Applied Linguistics, 30(3), 407–427.